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写真レタッチ講座
第11回 写真の印刷と解像度
〜 解像度を識る 〜 2003/10/15
 
印刷の前に解像度を理解
もっとも簡単な印刷方法
画像を印刷サイズに設定するには
ところで画像の再サンプルってなに?

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  ■印刷の前に解像度を理解 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●忘れてました…

 2週間のご無沙汰です。さて、先日、何人かの某氏からメールをいただきました。某氏とは言っても苗字が「某」というわけじゃありません。(うわっ、手垢のついた冗談…) そのメールのうち、私のハートを鷲づかみにしたのが……、「毎回楽しみにしているけど、いつになったら印刷方法を説明してくれるんだ!俺は印刷したいんだぁ!印刷させてくれ〜!」というメールでした。まぁ、実際はこんなふざけた書き方だったわけじゃ決してありませんが、確かにうっかりしてました!忘れてました!ごめんなさい。というわけで、今回はPhotoshopを使った印刷の方法を説明しましょう。

●印刷前の予備知識

 Photoshopも以前のバージョンに比べて、印刷が大変簡単になりました。次のセクションで説明する「プリントプレビュー」機能を使うと、比較的簡単に印刷することができます。が、しか〜し、本講座は「プロが教える…」ですから、もうちょっと深く、印刷についての知識を紹介したいと思います。それは、「解像度」です。

●解像度とは

 解像度とは、画像の情報量を表す基準になる言葉です。一般的には解像度が高いと、高品質な画像であると言えます。解像度の単位は「dpi」や「ppi」が使われます。「dpi」は「ドット・パー・インチ」の略で、1インチの幅に、画像を構成する最小単位の画素(ドット)が何個収まっているかを表します。「ppi」は「ピクセル・パー・インチ」の略で、「ドット」と「ピクセル」はここでは同じ意味で使われているので、「ppi」と「dpi」はイコールです。たとえば、「72dpi」という解像度は、1インチの幅に72個のドット(点)が収まっているということになります。

●印刷に必要な解像度

 一般的に画像の解像度は300dpiもあれば、高品質な印刷ができます。業務用印刷の場合でも、300dpiから350dpiの解像度の画像を使っていますから、十分だということがわかりますね。

 最近のインクジェットプリンタは4800dpiといった解像度がありますが、こんな高解像度に画像をぴったり合わせる必要はありません。もし、L判サイズ(9cm×13cm)に印刷できる画像を4800dpiで作ったとすると、その画像のファイル要領は約1.17GBにもなってしまいます。また、そんな高解像度で印刷したものと、300dpiで印刷したものを比べても、人間の目にはたいして違いがわからないのです。

 なぜ300dpiで十分高品質な印刷ができるのかというと、それはほとんどのプリンタが300dpiの倍数の解像度を持っているからです。たとえば4800dpiも300dpiの16倍、一頃主流だったプリンタの解像度も2400dpiで、300dpiの8倍です。つまり、300dpiの画像を2400dpiのプリンタで印刷する場合は、画像を構成する最小単位のドット(ピクセル)を8倍に拡大して印刷していることになるわけですね。画像のドット(ピクセル)は正方形ですので、倍数関係にある解像度に拡大するのであれば、品質を損なわずに拡大できるのです。もし、使っているプリンタの解像度が2880dpiであるなら、画像を288dpiの解像度にすると良いでしょう。

●自分のデジカメの解像度って?

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画面1 デジカメの解像度と印刷サイズ  Clickで拡大

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画面2 画像解像度の見方
 
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画面3 印刷解像度の変更
 
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 印刷の解像度についてはなんとなくおわかりいただけたかと思いますが、「じゃぁ今自分が使っているデジカメの解像度ってどの程度なんだ?」と思うことでしょう。デジカメで解像度を表すのに使われているのは、「○○万画素」とか「○メガピクセル」という言葉です。しかしこれでは印刷に必要な解像度はすぐにわかりません。「なぜデジカメは印刷の解像度を表示しないんだ?」と思う方もいるはずですね。その理由は、デジカメの解像度と印刷の解像度は違うものだからなのです。ここが解像度を難しいものにしているポイントですので、次をよ〜く読んでくださいね。

●画像解像度と印刷解像度

 デジタル画像というものは、最小単位であるドット(ピクセル)の集まりでできていることはわかりますね? 次に知って欲しいのは、画像データのドットには物理的な大きさというものが存在しないということです。物理的な大きさがないから、ドットは縦横何ミリといったサイズを表示できません。データとしてのドットはあくまでもコンピュータが扱う画像の最小単位ということで、コンピュータ上の論理的なものなのです。

 ドットは、プリンタで印刷するときに初めて物理的なサイズを持つことになります。たとえば、72dpiというのは1インチ(2.54cm)中に72個のドットがあるわけですから、2.54cm÷72で、一個のドットサイズが縦横0.035cmということになります。これが300dpiなら、縦横0.00846cmです。そして、この印刷の解像度は同じ画像でも切り替えて使うことができるのです。ちなみに、画面3を参考にして、同じ画像の印刷解像度を変えてみてください。画面3は幅2560ドット、高さ1920ドットの画像を、異なる解像度にも設定できることを説明しています。[ピクセル数]の幅と高さを変更しなければ、[ドキュメントサイズ]の解像度を変えてもファイル容量は変わらないことがわかります。また同時に、144dpiのときは幅45.16cm高さ33.87cmで印刷できるのに、300dpiにすると、幅21.67cm高さ16.26cmと、印刷できるサイズが小さくなってしまうことがわかります。このことから、画像の解像度と印刷の解像度は異なるものだということがおわかりいただけたでしょうか。

●画像解像度から印刷のサイズを計算

 では、デジカメの解像度についてもう少し詳しく説明しましょう。 たとえば、最近スタジオグラフィックスの「女性の撮りかた講座」で使っているカメラ、OLYMPUS E-20 は500万画素(5メガピクセル)の性能があります。E-20の500万画素は、幅2560ドット×高さ1920ドットの大きさがあります。この数値を実際にかけてみると、2560×1920=4915200。500万画素にはちょっと足りないようですが、メーカーの公称値は区切りのいい数字を表記するものなので、まぁこんなものです。さて、幅2560ドット×高さ1920ドットのピクセル数を持つ画像は、どの程度のサイズで印刷できるものでしょうか。それには以下の式を使って計算してみましょう。

  一辺の画素数÷印刷解像度×2.54cm=印刷サイズの一辺(cm)

 この公式に幅2560ドット×高さ1920ドットを当てはめてみましょう。印刷解像度は前述したように、300dpiあれば高品質な印刷ができるので、ここでは300dpiとします。2.54cmとは1インチですね。となると……。

2560÷300×2.54=21.6746666…
高さ 1920÷300×2.54=16.256

 結果は、幅21.67cm高さ16.26cmと、画面3の[画像解像度]ダイアログで設定したものと同じになりました。つまり、E-20の場合はA4サイズ(21cm×29.7cm)にはちょっと足りないけど、2L判で印刷するには十分な画像解像度だということがわかります。

 「じゃぁ、500万画素クラスのデジカメではA4サイズは印刷できないのか」と思うかもしれませんが、そんなことは決してありません。A4以上のサイズともなれば、人は印刷物から少し離れて見るはずなので、300dpiもの解像度は必要ありません。A4に印刷したければ、解像度を落としてA4サイズに調整しても問題はないはずです。

 さて、以上のことが理解できれば、上手な印刷方法を80%理解したも同然です。後は、実際の印刷の工程を踏みながら得ていく知識ばかりですので、不安になることは何もありません。それでは、Photoshopの印刷方法を紹介していきましょう。

 

  ■もっとも簡単な印刷方法 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●プリントプレビューを使う

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画面4 プリントプレビュー
 
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画面5 プリントプレビューでの印刷
 
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 長ったらし〜い、印刷のための予備知識を読破してもらった後ではありますが、そんな予備知識も要らないほど簡単な印刷方法をご紹介します。(おいおい)

 [プリントプレビュー]機能(画面4画面5)を使うと、もっとも簡単な方法で、どんなサイズの画像でもさまざまなサイズの用紙に印刷できます。

 [プリントプレビュー]機能は、前述した解像度と印刷サイズの問題を自動的に設定してくれるものです。ユーザーは、用紙サイズを設定してプレビュー画面に画像が治まるように画面を見ながら調整するだけです。小難しい概念を理解したくない人はもちろん、理解した方でも便利なのでどんどん使ってください。私も良く使う機能の一つです。

 

  ■画像を印刷サイズに設定するには ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●切り抜きツールを使う

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画面6 切り抜きツールを使って印刷解像度を決める
 
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 [プリントプレビュー]機能というのは、用紙と画像の縦横比が合わない場合は、プレビュー範囲から画像をはみ出させることで無理やり印刷しているようなものです。これって、なんだか釈然としませんよね。やっぱり、印刷する領域は自分できちんと調整したいものです。

 ここでは、印刷したい用紙サイズに合わせて、画像をトリミングする方法を説明しています。ここのポイントは、トリミングと同時に、印刷解像度の設定もしているところです。 画面6は、[切り抜きツール]のオプションの設定で、縦横のサイズと印刷解像度を設定することで、一度に印刷に適した画像を作っています。

 トリミング範囲の微調整ができるので、[プリントプレビュー]機能では満足いかない人にオススメの機能です。

 

  ■ところで画像の再サンプルってなに? ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●写真の解像度を変えるには[バイキュービック法]

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画面7 画像の再サンプルの種類
 
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 画面3で[画像解像度]ダイアログの最下部にある[画像の再サンプル]というのが気になった方はいるでしょうか。そんな方のために、今回のテーマからは少し外れますが、最後に[画像の再サンプル]について説明しておきましょう。

●ピクセルの補間技術

 [画像の再サンプル]では、3つの機能が選べるようになっています。

  ニアレストネイバー法
  バイリニア法
  バイキュービック法

 以上の3つは、いずれも画素の色情報の補間技術です。画像を縮小したときに、失われた画素(ピクセル)の色情報に対して、残っている画素の色をどのように変更させるか、もしくは画像を拡大したときに生まれる新しい画素に対して、以前からある画素の色情報をどう反映させて補間するのかを、以上の3つから品質の違いで選びます。[ニアレストネイバー法]は品質は高くありませんが、処理スピードが高速です。これに対して[バイキュービック法]は、最高品質の補間技術ですが、処理スピードはかかってしまいます。[バイリニア法]はその間の技術ということになりますが、見た目には[バイキュービック法]とさして変わりはありません。それでも、画像を拡大したときに、[バイリニア法]よりも[バイキュービック法]の方がグラデーションなどの階調表現能力に長けています。Photoshopの初期設定では[バイキュービック法]が選択されていますので、普段は気にしていなくても[バイキュービック法]が使われています。それでは、[ニアレストネイバー法]は処理スピードのためにだけあるのかと思うかもしれませんが、この機能は、大きな面積が同じ色で均一に塗られているようなイラスト(GIF画像)を拡大縮小するときに使います。こうした画像であれば、[ニアレストネイバー法]が他よりも優るのです。

 さて、今回はこれでおしまい。次回のネタはもうすでに考えてありますが、某氏のようにリクエストがあれば、そちらを優先して取り上げていきたいと思います。メール待ってます。

 

 
初出:2003/10/15
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