コンテンツのトップページへ 薮田織也の プロが教える
女性の撮りかた講座
第6回 女の子と撮影旅行に出かけよう <1>
〜 ロケハンと持っていく物 〜 2003/8/6
 
持ち物チェック!
ロケハンが大切!
外部ストロボを使おう
おまけフォト
モデル:寺崎佑紀   ロケ地:ペンションGAB
Clickで拡大
 
  ■持ち物チェック! このページのトップへ  

 みなさんお元気ですか?写真撮ってますか?楽しんでますか?  今回は「撮影旅行の巻」です。撮影旅行なんて、聞いただけでなんだか楽しそうな雰囲気プンプンですねぇ〜。そうです、撮影は楽しんでやらなけりゃ意味がない。だったら旅行をしてもっと楽しく撮ってしまおうってことで、スタグラ専属モデルの寺崎佑紀ちゃんと西伊豆の海に行ってきましたぁ!

Clickで拡大
写真1 写真をClickで拡大

Clickで拡大
写真2 写真をClickで拡大

 ……でも雨でした。曇りでした。太陽は出ませんでした。この講座が始まってからロケだっちゅうと雨です。他の撮影の時は晴れるのに、スタグラの撮影となると雨です。これはきっとプロデューサーの神崎洋治の日ごろの行ないが悪いからでしょう。そうに違いない!と言うことで、撮影旅行に出かけるにはどんなモノを用意していけばいいのでしょうか。

●外部電源は必需品

 私が今回のロケに持っていったのが写真1の機材です。実際にはこの他にもスタジオ用のストロボ機材一式とノートパソコン、そしてポンチョも持って行きました。このポンチョは、モデルが外で着替えるときに便利だし、雨が降ったときにカメラマンが着るのもいいでしょう。

●外部電源は必需品

 普段の生活空間での撮影と違って、撮影旅行にとって大切なのが、長時間使える外部電源です。写真2はOLYMPUS E-10/20用の外部電源です。これをカメラに装着すると、写真1のようになるわけですな。今回は一泊二日という比較的短いロケでしたが、それでもこの外部電源のおかげで電池交換をする必要がなかったので、ストレスを感じない撮影ができました。田舎でのロケの場合、電池の調達は難しいですからねぇ〜。この外部電源、ちと値は張りますが、屋外派のカメラマンにとっては必需品です。

●Tripper Plusも必需品

Clickで拡大
写真3 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真4 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真5 写真をClickで拡大

 私は今まで、ロケには必ずノートパソコンを持っていって、メモリーが一杯になると転送、てなことをやっていました。パソコンはデータ転送したらすぐに写真を確認できるので便利なんですが、かさ張るし慎重に扱わなけりゃならないので、結構足手まといなんですよね。どうにかしなけりゃなぁと悩んでいたら、そういえばスタグラのスポンサーでもある飛鳥にいいものがあるじゃないっすか。

「ねぇ、Tripper Plusちょうだいよ」
神崎 「自分で買いなよ」
「宣伝すっからさぁ〜頂戴!」
神崎 「薮田さんはすぐに壊すからヤダ」
俺が使って壊れなかったら、それだけ耐久性が高いってことじゃない。ねぇ、ものは試しに使わせてごらん」
神崎 「物騒なこと言うなぁ。じゃぁ飛鳥に頼んでみるよ。まったく。ブツブツ」

 てなことで、飛鳥さんからTripper Plusを一台プレゼントしてもらいました。いやぁ頼んでみるもんですねぇ。それじゃってことで、寺崎佑紀ちゃんにTripper Plusを持ってもらって一枚…。ついでに操作しているところをもう一枚…

 別に宣伝でいうわけじゃなく、こうした撮影旅行にTripper Plusは大変便利です。Tripper Plusがあればもうノートパソコンは宿に置き去りでもOK。撮影から帰ってきたら、写真5のように、Tripper Plus とノートパソコンをUSBケーブルでつないでデータを転送します。だけど今回持って行ったTripper Plusは20GBの(40GBの製品もある)容量があるので、私の愛機であるVAIOのハードディスクよりも容量が多いんです。(残り容量5GBしかないし…)結局全部転送できず、見たい写真だけ転送して、残りは帰って来てから転送しました。(あ〜新しいノートが欲しい…)

 それと、メモリカードを二枚持っていれば、一枚が一杯になった時点でTripper Plusに装着して、データ転送している間に別のメモリカードで撮影できます。ほっといてもデータ転送が終わってしばらくすればTripper Plusの電源は勝手に切れるので放電の心配はありません。それから神崎洋治が心配していた耐久性ですが、粗野な私(誰が粗野だ!)と澤口(写真レタッチ講座、第5回6回参照)が使っても壊れませんでした。よかったよかった。

 

  ■ロケハンが大切! このページのトップへ  

●ロケハンとは?

Clickで拡大
▲キャンプ黄金崎 Clickで拡大
Clickで拡大
▲ペンションGAB Clickで拡大
Clickで拡大
▲カントリーキッチン・コーピス Clickで拡大
Clickで拡大
▲大沢温泉ホテル Clickで拡大

 撮影旅行に行く前の準備として、どんな場所でどんな撮影をするのかを、あらかじめ計画しておくことが大切です。こうした撮影場所の下調べのことを「ロケーションハンティング」、略して「ロケハン」と呼びます。ロケハンして、撮りたい写真のイメージをしっかりと持っておくことで、写真の良し悪しが決まってくるといっても過言ではありません。それが人物撮影の場合ならなおのことです。ロケハンせずに現地に行ってからあーでもないこーでもないやっていたら、モデルのモチベーションも下がりっぱなしです。

●コーディネーターを頼もう

 下調べというくらいですから旅行前に一度現地に行って、その目で確かめるのがベストですが、仕事での撮影でもない限りそれは無理な話でしょう。プロの現場でもこのご時世ですから、ロケハンはモデルさんが入る1日前にするか、最悪は当日に同時進行します。それでもプロの撮影がスムーズに進むのは、現地をよく知っているコーディネーターの力によることが大きいと言えるでしょう。今回の西伊豆ロケの場合は、私自身が伊豆出身ですし、さらに西伊豆在住の友人にコーディネーターをしてもらいましたので、ロケハンはばっちり……のはずでした。晴れさえすれば……。(いつかは晴れの日のテクニックを紹介しますね)

 「コーディネーターなんて頼む余裕はないぞ」と言う方は、地元の観光協会に電話して、撮影場所としてオススメのスポットや、撮影協力してくれそうな宿を聞くのも手です。今回のロケでも、武田勝頼の重臣、依田一族の邸宅を改修して建てられた「大沢温泉ホテル」は、松崎町の観光協会にお願いして撮影許可をもらいました。

 ホテルやペンション、民宿などで撮影する場合は、チェックアウトからチェックインまでの短い時間が勝負です。自分が宿泊しての室内撮影ならいつでもOKでしょうが、今回のように泊まりもしないのに撮影させてもらおうなんて厚かましい考え(笑)のときは、他の宿泊客がいない時間帯を選ぶのがエチケットです。また、撮影に熱中するあまり器物破損なんてことにならないように要注意。それからゴミはちゃんと持ち帰りましょうね。

 さて、今回から数回にわたってお送りする「女の子と撮影旅行にでかけよう」は、右の写真のキャンプ黄金崎ペンションGABカントリーキッチン・コーピス大沢温泉ホテルで撮影した写真を使っています。気に入ったら皆さんもお出かけしてみてくださいね。

 

  ■外部ストロボを使おう このページのトップへ  

●内蔵ストロボの問題

Clickで拡大
写真6 写真をClickで拡大
Clickで拡大
写真7 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真8 写真をClickで拡大
Clickで拡大
写真9 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真10 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀

 本講座で使っているOLYMPUSのE-10(今回はE-20を使いました)とE-20には、内蔵ストロボが付いています。ただこれ、前面照射しかできないタイプなので、モデルに接近して撮る場合は光が顔にもろ当たってしまうので、あまりオススメできません。内蔵ストロボでどうしても接近して撮る場合は発光面にティッシュペーパーを当てて簡易ディフューザー(光を弱める機材)として使いますが、こうした場合は絞りもシャッタースピードもマニュアルで調整しなければ光量不足になってしまいます。また、今回以降も登場しますが、コンバージョンレンズ(レンズの前に付ける望遠や広角などの補助レンズ)を装着した場合に、内蔵ストロボは使えません。理由はレンズの画角と内蔵ストロボの照射角度が異なり、光が構図全体に行きわたらないことがあるからです。レンズ交換型のデジタル一眼レフに内蔵ストロボがないのはそういう理由もあるのです。

●外部ストロボ

 今回使ったのは、 写真6のFL-40というOLYMPUS E-10/20用の外部ストロボです。FL-40はカメラ本体と通信して発光モードを自動で切り替えるTTL AUTO、R-TTL AUTOなどの自動発光モードと、ガイドナンバーを使ったマニュアル発光ができます。また、FL-40はガイドナンバーが自動で切り替わるタイプです。ちなみに望遠(TELE)側で40、広角(WIDE)側で26、ワイドパネルを装着すると18です。 FL-40はE-10/20用ということでもあり、TTL AUTOを使って撮影すれば、ほぼ何も考えずにふつ〜うの写真が撮れます

●バウンス発光

 写真8のように発光部の角度を調節して、周囲にある壁や天井に光を反射させることをバウンス発光(バウンズともいう)といいます。つまりモデルに真正面から直接光が当たらないので、モデルの後ろに影ができず、柔らかい光になります。ストロボをTTL AUTOモード、カメラをプログラムモードに設定しておけば、バウンス発光させても、撮影前にテスト発光させるプリ発光によってカメラは適正露出に設定されます。また、カメラの内蔵ストロボがある場合はバウンス発光と同時にこれも発光させると、ストロボの多灯撮影と同じことができます。E-10/20でTTL AUTOの場合、内蔵ストロボの光量は外部ストロボの約1/2になり、補助光として柔らかい光を演出してくれます。また、正面照射によって瞳にキャッチライトを入れることもできます。こうして撮影したのが写真7です。写真9はストロボなしで他は同条件で撮影したものです。

 こうした例を見せるには本当は室内撮影のものが適当なんでしょうが、スタグラのことなんか考えずにバシバシ撮影していたために、屋外での撮影サンプルしか見つからなかったんです。すみません。

 さて、今回はここまでですが、次回以降も撮影旅行の話の中に、ストロボのテクニックが出てきます。お楽しみに。また、今回は人物写真が少ないなぁとお嘆きの貴兄に、今回撮影したポートレートをおまけでアップしておきます。それではまた次回お会いましょう。

  ■おまけフォト このページのトップへ  

Clickで拡大
写真11 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真12 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真13 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
Clickで拡大
写真14 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀
 
初出:2003/8/6 このページのトップへ
 

     
 
 

     
リンクについて
著作権について
プライバシーポリシー