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柴田誠のフォトレポ
CP+2015 体感レポート#1

Posted On 16 2月 2015
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TOPIX

好天に恵まれ、来場者数も昨年から大きく伸びた「CP+2015」(http://www.cpplus.jp/)。新製品などの情報は、ネットニュースをはじめ、すでに多くの媒体で紹介されています。そこで、ここでは連日会場を歩き回って見て感じた、個人的な感想を中心にレポートをお届けしましょう。

■人気の体験コーナーは長蛇の列

2月12日(木)〜15日(日)に、パシフィコ横浜で開催された総合カメラ映像ショー「CP+2015」。6回目の開催となるだけに、基本的なイベントの構成は昨年と大きく変わらない。御苗場やアウトレット、会場周辺で開催される写真展などの関連イベントなど、どこも大勢の来場者で賑わっていた。新製品や開発発表に関しては、カメラの新製品発表が少なかった半面、レンズやカメラバッグ、三脚などのアクセサリーのニューモデルを非常に多く目にすることができた。
各社のブースの基本の構成は、商品展示、タッチ&トライコーナー、ステージ、作品を展示するギャラリーと、これまでとほぼ同じ。今年はとくに体験コーナーやタッチ&トライコーナーを各社とも充実させていて、そういったスペースを広く取っていたのが特徴的だった。来場者にとっても単に商品を見るだけでなく、実際に気になる商品を手にできるチャンスなわけだからうれしい変化だが、スペースはもちろん、スタッフや展示機材の数などにも制限があるため、誰でも好きなだけ自由に触れられるというわけにはいかない。1台に1人ずつ説明員が付いて、詳しく解説をしてはくれるものの、体験できる時間に制限を設けているところも少なくなかった。それでも順番待ちに長蛇の列ができていて、人気の機種に1時間待ち、2時間待ちというのを見かけることもめずらしくなかった。しかし、せっかく来たのだから、あっちもこっちも見たらいいのにと思うのは余計なお世話というものだろう。1時間待ってでも実機を手にしたい! というのがファンの心情。せっかく来たからこそ並ぶのだ。順番待ちの列が、閉館を知らせる蛍の光が流れる時間まで途切れることがないのを見ると、日本のカメラ市場は、こうした大勢のファンたちによって支えられているんだなぁと、再認識させられる。

あちこちのブースで見かけた待ち時間や列の最後尾を示すプラカード <富士フイルム>

あちこちのブースで見かけた待ち時間や列の最後尾を示すプラカード <富士フイルム>

発売前の新製品の体験コーナーは長蛇の列 <オリンパス>

発売前の新製品の体験コーナーは長蛇の列 <オリンパス>

撮影体験コーナーに登場した大掛かりなジオラマ <ソニー>

撮影体験コーナーに登場した大掛かりなジオラマ <ソニー>

各種フィルターの効果を体験できる撮影体験コーナー <ケンコー・トキナー>

各種フィルターの効果を体験できる撮影体験コーナー <ケンコー・トキナー>

もっとも長い行列が出来ていたEOS5Ds、5DsRの体験コーナー <キヤノン>

もっとも長い行列が出来ていたEOS5Ds、5DsRの体験コーナー <キヤノン>

体験コーナーでは説明員が一対一で対応してくれるところが多かった <キヤノン>

体験コーナーでは説明員が一対一で対応してくれるところが多かった <キヤノン>

目立たない存在のクリーニングサービスコーナーも午後には列ができていた<パナソニック>

目立たない存在のクリーニングサービスコーナーも午後には列ができていた<パナソニック>

講師と同じ目線で撮影体験ができるステージ<プロフォト&ハッセルブラッド>

講師と同じ目線で撮影体験ができるステージ<プロフォト&ハッセルブラッド>

 

■セミナー、ステージイベントはどこのブースも大盛況

タッチ&トライコーナーと同様に、ステージイベントにも各社力を入れていた。主要カメラメーカーの講師陣の顔ぶれは、どこも充実しており、タイムテーブルを見ると、カメラ雑誌でよく見かける名前が連日ズラリと並んでいる。しかし、同じ講師があっちのブースでもこっちのブースでもという印象は、今年も否めなかった。人気の写真家に講師依頼が集中するのは当然と言えば当然だが、もう少し何とかならないものかと思ってしまう。
とは言え、こうした理由もあってステージ前はどこを見回しても超満員。通路にまで観客がはみ出しているところが多いのだ。しかし、昨年よりもブースの間隔が広く設定されているせいなのか、通路を通り抜けられないような状態に出くわすことはなかった。単なる商品説明や作品解説に終わらないセミナー形式の解説は、ステージがない小さなブースでも行われていた。そうしたところにも、熱心に聞き入る人が集まって人垣ができているのを目にするのも多かった。
また、実際に撮影体験ができたり、ステージと客席が一体になるようなところもあったりと、セミナーの質、内容ともに充実してきたのを感じることができた。来年のステージイベントは、さらにアップグレードしたものになるに違いない。

米美知子さんのステージには多くの観客が詰め掛けていた <キヤノン>

米美知子さんのステージには多くの観客が詰め掛けていた <キヤノン>

スタグラでもお馴染みの萩原和幸さんによるポートレートセミナー <ケンコー・トキナー>

スタグラでもお馴染みの萩原和幸さんによるポートレートセミナー <ケンコー・トキナー>

コスプレーヤーをモデルにして三脚の解説をする若子ジェットさん <ベンロ>

コスプレーヤーをモデルにして三脚の解説をする若子ジェットさん <ベンロ>

山田慎二さんのストロボ解説も大盛況 <ニッシンジャパン>

山田慎二さんのストロボ解説も大盛況 <ニッシンジャパン>

セミナー終了後もステージ脇で解説を続ける薮田織也さん <ニッシンジャパン>

セミナー終了後もステージ脇で解説を続ける薮田織也さん <ニッシンジャパン>

小さなブースのセミナーにも興味のある来場者が大勢集まってくる <エックスライト>

小さなブースのセミナーにも興味のある来場者が大勢集まってくる <エックスライト>

話題のカメラ、注目の機能の解説に熱心に耳を傾ける来場者も多い <LYTRO>

話題のカメラ、注目の機能の解説に熱心に耳を傾ける来場者も多い <LYTRO>

製品の解説にとどまらないセミナー形式の紹介が数多く見られた <市川ソフトラボラトリー>

製品の解説にとどまらないセミナー形式の紹介が数多く見られた <市川ソフトラボラトリー>

ポートレートのセミナーはメーカーを問わず人気が高かった。講師は河野英喜さん。 <ニコン>

ポートレートのセミナーはメーカーを問わず人気が高かった。講師は河野英喜さん。 <ニコン>

御苗場のステージイベントもバラエティ豊かな内容で人気があった <御苗場>

御苗場のステージイベントもバラエティ豊かな内容で人気があった <御苗場>

 

■機能として進化し始めた自分撮り

「セルフィ」という言葉が定着したせいなのか、「自分撮り」を前面に押し出した製品の紹介を会場のあちこちで見かけることができた。自分撮りは、FacebookやTwitterのようなSNSとの関連が深い。つまり、自分がどこにいて何をしているのかを的確に伝えるためには、自分が写っている画像が都合がいい。写してもらうのではなく、自らが画面に写ってしまう。それが自分撮りだ。
自分撮りは、一部で社会問題になっているものの、自分撮り機能を充実させたカメラやアクセサリーが登場したり、実際に自分撮りを体験できるコーナーがあったりするのを見ると、これは単なるブームでは終わらないのではと思えてくる。

ニコンブース内には自分撮りが体験できる特設コーナーが設けられていた <ニコン>

ニコンブース内には自分撮りが体験できる特設コーナーが設けられていた <ニコン>

カシオの新製品はコンセプトが「自分撮り」 <カシオ>

カシオの新製品はコンセプトが「自分撮り」 <カシオ>

自分撮りを広めたセルフィスティックもさまざまある <エツミ>

自分撮りを広めたセルフィスティックもさまざまある <エツミ>

フェイスシャッターやフレンドリーシャッターといった新機能に加え、上側に180度チルトする可動式液晶を採用したLUMIX DMC-GF7W。 <パナソニック>

フェイスシャッターやフレンドリーシャッターといった新機能に加え、上側に180度チルトする可動式液晶を採用したLUMIX DMC-GF7W。 <パナソニック>

通常は横位置で、自分撮りには縦位置にして撮るニコンCOOLPIX S6900。ボディには縦置きができるスタンドが内蔵されている。 <ニコン>

通常は横位置で、自分撮りには縦位置にして撮るニコンCOOLPIX S6900。ボディには縦置きができるスタンドが内蔵されている。 <ニコン>

コンパクトなボディに180度チルト式のタッチパネル液晶モニタを採用したキヤノンPowerShoto N2。  <キヤノン>

コンパクトなボディに180度チルト式のタッチパネル液晶モニタを採用したキヤノンPowerShoto N2。  <キヤノン>

ちなみに、コンパクトカメラの衰退には、スマートフォンのカメラ機能で撮った方がSNSに画像をアプロードしやすいといった、SNSとスマートフォンの親和性の高さがあったからと言われている。しかし、今回の各社のブースを見てみると、スマートフォンをシャッターボタン代わりに使ったりするアプリ機能を充実させることで、カメラの機能にスマートフォンの機能をうまく取り入れていることが多い。スマートフォンとの棲み分けを考えるのではなく、カメラ機能の一部として融合させていく。これによって、カメラは新たな進化を遂げていくように思う。さまざまな家電製品とカメラが結びついてく、まさに今、そういった時代の節目にあるのではないだろうか。

一眼画質をアプリで楽しむというコンセプトのスマホ連携レンズ交換カメラOLYMPUS AIR A01。<オリンパス>

一眼画質をアプリで楽しむというコンセプトのスマホ連携レンズ交換カメラOLYMPUS AIR A01。<オリンパス>

カメラにインストールして使う「Camera Apps」の新作アプリとしてストップモーション+を紹介。 <ソニー>

カメラにインストールして使う「Camera Apps」の新作アプリとしてストップモーション+を紹介。 <ソニー>

専用アプリを利用して、スマートフォンを使って動画も静止画も撮影できる全天球カメラRICOH THETA。 <リコー・ペンタックス>

専用アプリを利用して、スマートフォンを使って動画も静止画も撮影できる全天球カメラRICOH THETA。 <リコー・ペンタックス>

極薄のボディにAndroid 4.4を搭載し、スマートフォンの機能を備えたLUMIX DMC-CM1。新たな時代の到来を予感させる。 <パナソニック>

極薄のボディにAndroid 4.4を搭載し、スマートフォンの機能を備えたLUMIX DMC-CM1。新たな時代の到来を予感させる。 <パナソニック>

今年のCP+を3つのキーワードで斬ってみました。次回は思わず会場で「コレ欲しい!!」と思った、気になる製品をピックアップして紹介します。

柴田誠
著者について
1964 年生まれ。2012 年春に 24 年間勤務した出版社を退社し、フリーのフォトジャーナリストとなる。その後、香港に個人事務所 CYBER DRAGON HKG LIMITED( 數碼龍珠( 香港 )有限公司 )を立ち上げ、フォトキナをはじめとする国内外のカメライベント、写真フェアなどを中心に取材活動を行い、香港をベースにして国内や海外のカメラ雑誌や ウェブマガジンに執筆している。ちなみに日本在住。出版社在籍中には、カメラ誌の製品担当者で組織する「 カメラ記者クラブ 」にも通算 16 年間在籍。編集者時代に培った幅広い人脈と豊富な経験を活かした活動をするとともに、「 日本の写真文化を海外へプロジェクト 」を主宰。業界の活性化と後進の指導にも積極的に取り組んでいる。中国のカメラ雑誌「 撮影之友 」の編集顧問も務める。日本写真家協会( JPS )会員、日本写真協会( PSJ )会員、日本香港協会( JHKS )会員。
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