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高崎勉のネットショップのための商品撮影講座
~ 第1回 商品撮影の基礎 ~ 必要な機材編

Posted On 16 6月 2015
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TOPIX

今月より 『 高崎 勉の ネットショップのための商品撮影講座 』 が連載開始です。本講座は大手飲料メーカー・大手化粧品メーカーなどの商品撮影を手掛けてきた高崎 勉氏により、ネットショップ運営者の皆様、物撮りを趣味としている皆様向けに初歩から商品写真の撮り方を解説いたします。お楽しみに! by 編集部

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【 高崎 勉より連載開始のご挨拶 】

皆さん、初めまして。
今回から 「 ネットショップのための商品撮影講座 」を執筆することになりました写真家の高崎勉です。
僕のことをご存知ない方が多いと思いますが、商品写真を中心に広告の世界で活動しています。10年前からアーティストとしても活動を始め、2011年の発表以降は毎年2~3回のペースで写真展に参加しています。

作品も「静物」が中心です。風景も得意ですが、人物を被写体にするのは家族オンリーです。( 実は僕の家族写真を見たお客様からポートレートのオファーも時々あります。 )
僕の今までの商品撮影実績はコチラでご覧いただけます。

ネットショップの売上を左右する要素の1つである商品撮影のコツ・テクニックを本講座では、作例を交え具体的に解説していきたいと思っています。

ネットショップ運営の皆様や静物写真を上達したいと考えている方のお役に立ちたいと思いますのでよろしくお願いいたします!

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■ 商品撮影はなぜ難しいのか

実際に商品を手にとって観察すると、手も目も動かしながら見ることがほとんどです。つまり人間の目は動画として見ているわけです。

▼写真1

商品を手に取って観察しているときは動画として認識している。

商品を手に取って観察しているときは動画として認識している。

傾けたりして、いろいろな角度から光を当てて「 ラベルの色が黒く見えるけど、実際は茶色なんだ 」とか、「 キャップのゴールドはが金だけど青みがかった金色なんだ。 」と認識するわけです。

ところが撮影するときは商品を台に置き安定させ、カメラのレンズの1点から観察するので「 静止画 」として人間は認識します

▼写真2

ステージ( 台 )に置いた時点で商品は寡黙になる。

ステージ( 台 )に置いた時点で商品は寡黙になる。

ステージに置くと物を動かしていたら良くわかった商品の特徴が、急にわかりにくくなります。商品写真の難しさは、ここにあると言っていいでしょう。

では、「 何に留意したらうまく伝えられるのか 」をお伝えする前に、「 何を準備すればいいのか 」をお話ししましょう。

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■ 最初に揃える機材

1)カメラ
まずはカメラです。僕はデジタル1眼レフか、ミラーレスカメラをお勧めします。

▼写真3

僕が使用しているニコンとタムロンのズームレンズ

僕が使用しているニコンとタムロンのズームレンズ

「 えっ、スマホやコンパクトデジタルカメラじゃダメなの? 」という声が聞こえてきそうですが、商品撮影はじっくり商品と向き合ってライティングして進行します。あとで三脚の重要性にも触れますが、スマホやコンデジはお手軽に撮るためのツールですから不向きです。
また「 レンズは何がいいか? 」と、尋ねられますが、特殊な場合を除いてボディとキットになって販売されている標準ズームレンズから始めることでいいでしょう。( 特殊な場合というのは、アクセサリーのような小さいものを撮るときに接写が可 能なマクロレンズが必要になるなどです。)ズームレンズは単焦点レンズに比べて比較的、商品 に寄る( 近づく )ことができますから、初心者にも適していると言えるでしょう。

2)三脚
三脚は必ず用意してください。これも被写体によって変わりますが、商品撮影専用に購入なさるのでしたら、軽いものはお勧めしません。
▼写真5

僕が愛用する商品撮りに安定感のあるベルボンの大型三脚

僕が愛用する商品撮りに安定感のあるベルボンの大型三脚

では、なぜ三脚が必要なのでしょうか。 その理由は2つあります。「 手ブレを防ぐ 」ことと 「 安定した構図決め 」のため三脚は必須となります。 ここは重要なポイントなのでさらに掘り下げて解説しましょう。
人物撮影では相手も 動くので、カメラマンも柔軟な姿勢で被写体に向き合います。しかし、商品撮影では フラッシュを使わない場合、シャッタースピードが1秒を超えることがあります。 手持ちで撮影が可能なシャッタースピードはプロでも1/30秒でしょうから、シャッタースピードが1秒を超えると「 手ブレ 」が発生してしまいます。三脚を使用することにより、「 手ブレ 」を防止できます。
次に「 安定した構図決め 」について解説しましょう。商品撮影はカメラと商品と のアングルを常に一定に保って進行しなければなりません。ライティングは「 カメ ラ ~ 被写体( 商品 ) ~ ライト 」の関係に対して、反射角、入射角を考えながら進行し ます。そのため、撮る度にこの関係が変わってしまってはいけません。そして「商品に印刷されている文字のセンターが正しくカメラを向いているか 」が、問われます。 そのため、カメラを一定の位置に保つために三脚は不可欠となります。
( シャッタースピードが1秒を超える理由・ライティングの考え方は回を追って解 説していきます。 )

三脚が重いほうが良いというのは、作業していて安定性が良いこと。そしてスローシャッター になった時のブレを防ぐためです。スローシャッターとはシャッターが開いて、カメラの撮像素子に光を当てる時間が長いことです。( 前述の「1秒を超えるシャッタースピード」はスローシャッターです。 )
1つの三脚で商品撮影から旅行の撮影まで全て を賄うことはあまりお勧めしません。できれば商品撮影用の重い三脚と機動性のある 旅行用の軽い三脚は、割り切って所有したいものです。

 

3)銀レフ
カメラ、三脚、と揃ったところでもう一つご用意していただきたいものがあります。それは銀レフです。

▼写真5

画材店で購入したマットシルバーの紙

画材店で購入したマットシルバーの紙

ポートレート( 人物撮影 )用の折りたたみ式の大きいものなどカメラ店に売ってい ますが、商品撮影の時は画材屋さんの用紙売り場に売っているマット( ツヤなし ) の銀の厚手の紙が使い易いです。お値段も撮影機材と比較して購入しやすい価格で す。サイズは撮影する商品によって異なりますが、テーブルの上において撮影する程 度の商品サイズでしたらA4~A3サイズを用意すると良いでしょう。
僕はB1程の大きいサイズを購入し、様々な大きさにカットし、被写体やセットによって使い分けています。
また、薄いよ うでしたら、さらに厚紙に貼ると使いやすいです。
「 アルミホイルではどうか? 」 と、いう質問も受けますが傷がつきやすいので、僕の経験ではあまりうまくいった試 しがありません。

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■ 今月使用した機材

▼写真6

タムロン製28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)

タムロン製28-300mm F/3.5-6.3
Di VC PZD (Model A010)

▼写真7

ベルボン製 Geo Carmagne N740 セット

ベルボン製 Geo Carmagne N740 セット

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今回紹介した商品をアマゾンで価格を見る

タムロン製28-300mm

ベルボン製 Geo Carmagne N740セット

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■ 今月の1枚

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このコーナーでは僕の仕事や作品をここでご紹介させていただきます。
今回は旬な話題として、4月に発売になったばかりのJazzユニット「 Boys feauturing SHUN 」のCDジャケット写真です。



僕のアート作品「 Life 」のシリーズから2点がこのCDに採用されました。
両方の写真とも薄暗い窓辺の光で長時間露光で撮影しました。
曲ももちろん最高です!よろしければ聞いてみてくださいね。
http://amzn.to/1GJ2kBd

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■ 次回予告

さて、「 高崎 勉のネットショップのための商品撮影講座 」第1回はいかがでしたか。第2回より具体的な撮影のコツ・テクニックを解説していきますのでお楽しみに!

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高崎勉
著者について
■ 高崎 勉 - Tsutomu Takasaki - 1967年 富山市生まれ 写真家、広告カメラマン ■ 東京工芸大学短期大学部卒業後(株)アマナを経て1999年独立。主に広告業界で活動し「心に響く商品写真」を追求。プロフェッショナルクリエイターを育成する「Takasaki Seminar」を開催し、後進の育成にも積極的に関わる。第65回毎日広告デザイン賞・最高賞。87th N.Y.ADC 入賞。APAアワード入賞など、受賞多数。作品制作にも積極的に取り組んでおり、2011年の発表以降、年2~3回のペースで写真展開催。NPO法人「日本の写真文化を海外へプロジェクト」ディレクター。プライベートでは被写体を「商品」から「愛娘」に替えて、写真三昧の日々を過ごす。
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